私が高校生の時に書いたお話が素敵なので少し見てほしい
『夢というかゆめ』
夜、星が輝く空を
私は月明かりに照らされた水の如く青く煌めく鯨の背中に乗って旅するの。
下を見れば小さな灯りがたくさん見えるわ
街灯の光やマンションの窓から漏れる光
昼までは気づくことのできない小さな美に気付かされるの。
人が多く、夜なのにも関わらず賑やかな笑い声が聞こえる商店街から、1日を終わろうとする住宅街
たくさん空を泳ぎ回ったけれど、
誰一人私や、私の乗っている大きな鯨の存在には気づかないわ。
でもただ一人、眠たそうに母親におぶられている小さな女の子が、私のことを見て目を大きく見開いて
私も乗りたい、と呟くの。
母親は女の子に、なんかいった?と問うけれど、
女の子がいくら説明しても母親には私たちのことが見えないみたい。
夜空に、月に、それらを透かす空飛ぶ鯨。
こんなに素敵なものはないのにね
お嬢ちゃん、またね
私たちいかなくてはならないの。
目覚めという恐ろしい波が私たちを飲み込もうとするから。
誰もわかってくれないだろうけど、ここは私の夢の世界なのよね。